液晶ディスプレイ用語集

応答速度とはresponse speed

読み方「おうとうそくど」(レスポンススピード)

画面の反応速度。液晶分子が切り替わる速さ。電圧のかかっていない黒から最大の白へとかわり元の黒へと戻るまでの時間をms(ミリセコンド)で表す。黒と白の間の中間調から中間調の速さの時間を表していることもある。

関連用語:【オーバードライブ回路】 【Gray to Gray】 【ms(ミリセコンド)】 【中間諧調】

【オーバードライブ回路】Over Drive

読み方「おーばーどらいぶかいろ」

色変化に時間がかかる中間階調の駆動を一時的な高い電圧をかけることで、配向変化を高速化し残像やにじみの少ない映像をうつすことができる。

強くかけすぎると、一瞬だけ目的のレベルを超してしまうオーバーシュートという現象が起こるため副作用で画質が低下してしまう。しかしIPS系なら制御しやすいため全域で高速応答を実現できる。もともとはそれほど反応がよくなく動画向きでないとされてきたが、画質のよさに高速応答が実現できれば、高いパフォーマンスを発揮する。

【中間階調】

読み方「ちゅうかんかいちょう」

中間階調とは黒と白の間にある中間部分で、最大でも最小でもないレベル。黒を0白を100とした場合に、その間の段階部分。色を表現するのに用いられもっとも実用される範囲である。

通常なら応答速度は黒や白といった部分よりも、中間階調のほうが遅くなりカタログには別にGTG(グレートゥグレー)で掲載されたり、まったく掲載されていなかったりする。

【GTG】中間階調応答速度(Gray To Gray)

読み方「じーてぃーじー」ぐれいとぅーぐれい

カタログ値の応答速度は「黒→白→黒」と液晶の駆動電圧を最小から最大と上がり下がりの極端なレベルで計測しており、最もいい反応が出ます。それに対して中間のグレーの部分は、どうしても遅くなる傾向があります。中間から中間への応答速度を「GTG(Gray To Gray)」と呼んでいます。

画面の描画は白や黒と言った極端なものより、カラフルな色彩だったり、滑らかなグラデーションだったりと中間の階調を利用することのほうが多いと思います。実用的なGTGがカタログ値にも載らず、実際は遅いという事実は意図的に隠されていたともいえるでしょう。

液晶の弱点ともいえる「残像感」の原因のひとつに応答速度の悪さがあげられますが、GTGが問題なのです。次々と色や形が変化する「動画
」においては、中間階調の応答速度の良し悪しが滑らかさや一瞬の表現を綺麗に映し出します。

中間の制御が遅くなるのは中途半端な基準に合わせるのが難しいということがあります。極端な白や黒なら強く電圧をかければ一瞬でそのレベルに達するので、速くするのは比較的容易なのですが、途中で停めなければならない中間域では、駆動電圧も制限されてしまいます。

例えば馬力のある車で一気に加速するのは簡単ですが、一定のスピードに調整するには多少の時間がかかります。エアコンなどで部屋の温度を下げるのも、最大に下げるのは難しくありませんが、一定の温度に保つのは難しいですよね。

GTGは完全に遅いというイメージがありますが、「オーバードライブ回路」という高速化する機能を搭載していれば、かなり改善することができます。「黒→白」の速度よりもよいパフォーマンスを発揮するものもあり、動画性能を重視するなら是非チェックしておきたい部分ですね。

【ms(ミリ秒)】milli second

読み方「ミリセコンド」

1000分の1秒を表す時間の単位。応答速度を表すカタログ値であるが、単位が秒であるため「応答時間」であるとする声もある。12msであるなら「黒→白→黒」と変化するのに12/1,000秒かかるということである。

【残像(ざんぞう)】

映像信号に対する液晶の配向変化が追いつかず、前のフレームの画像が残り、現在のフレームに混ざり正常な画像が描画されないことが、人の目に残ること。

毎秒60フレームあるテレビ放送などでは、1フレームの表示時間は約16ms(ミリ秒)なので、それ以下である必要があるが、倍の時間がかかる非常に遅いものだった。テレビなどでは残像感を軽減するために倍速液晶(倍速駆動)技術を用いている。

駆動方式の違い

TN(Twisted Nematic)方式

電圧を最大にかける「白→黒」の立ち下がりが一番速く、逆に電圧をOFFにしたときの「黒→白」の立ち上がりが遅くなる。さらに中間階調の応答速度が急激に低下する傾向にある。全階調において安定していない。そのためカタログ値(黒→白→黒)は速くても実際は残像感がある。オーバードライブ回路との相性は良くない。

VA(Virtical Alignment)方式

TN方式と基本的には同じで、「白→黒」の立ち下がりが速く、「黒→白」の立ち上がりが遅くなる。同様に中間階調の応答速度が遅くなる傾向にある。

IPS(In-Place-Switching)方式

全階調域においてバラつきがなく安定しているが、高速応答が難しく動画性能に影響がある。しかしオーバードライブ回路との相性が意外によく、もとからの画質のよさもあり動画性能を発揮する。

高応答速度液晶パネル搭載ディスプレイ

Diamondcrysta WIDE RDT231WM-X(BK)(MITSUBISHI)

クッキリした解像感が得られる超解像技術と、左右・上下178°の広視野角IPS液晶パネルを搭載。画面のギラギラ感や斜めから見たときの色変化が少な く、色彩も鮮明に表示します。また、IPS液晶パネルでありながら、「オーバードライブチェンジャー」により、3.8ms(GTG)という応答速度を実現。

超解像技術を含む画像処理LSI「ギガクリア・エンジン」と素早く動く映像のぼやけ感を低減する「オーバードライブチェンジャー」が様々な動画コンテンツ を美しくスマートに映し出します。