よくわかる基礎用語講座!

液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)とは

読み方「エルシーディー」:リキュード・クリスタル・ディスプレイ

EIZOダイレクト

省スペースと省エネを実現したパソコン用のモニターで、主な出力装置の一つである。大画面化と低価格化が進み、高機能化・高精細な画質など注目される製品です。

「液晶とは」液体と結晶の形態を併せ持つ物質の状態である。英語で「liquid crystal(リキュード クリスタル)」液体・流動体の結晶である。液晶という物質があるわけではなく「固体」「液体」「気体」などと並ぶ物質の状態である。バックライトの光をシャッターやブラインドのように透過率を調整することで映像を制御することができる。電卓や携帯電話などにも使用されるほか、カーナビやデジカメにも使われる。

FPD(Flat Panel Display:フラットパネルディスプレイ)と呼ばれる筐体が平面のディスプレイ機器の一つで、他にはプラズマディスプレイ(PDP)や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)などがある。画面がフラットであること、構造上の理由から薄型であり省スペースを実現できる。従来主流のブラウン管のCRTディスプレイは、重量もありスペースもとった。

テレビとの違いは?

地上波放送を受信して映像と音声を再生するTVとの違いは、まずパソコン用途を目的としているので、チューナーなどが付いていないこと、更にスピーカーも付いていないことが挙げられます。出力装置なので単体では使用できません。パソコン本体などの映像出力を持つ機器が必要になります。

他にもテレビに比べ高精細で解像度が高いということや、複数の機器を接続できる多くのインターフェースを備えていることです。しかしスピーカー内臓のものやチューナーを内蔵したものもあり、テレビとの違いもあいまいになっています。

カタログスペック用語解説

画面のサイズと縦横比

ディスプレイの大きさはインチを用いますが、日本では普段用いる長さの単位はメートルですよね。これは「計量法」という法律でも決まっています。1インチは約2.54cm(25.4mm)なんですが、テレビのサイズなどもメートル表記ではなく「インチ」または「型」を用います。二つは同じ意味を持ちます。

テレビが米国発であったので、サイズ表記にデファクト スタンダード(事実上の標準)のインチを用いたのですが、メートル法を基準とする日本では、インチはあまり浸透していない単位だったので、日本独特の表記「型」に置き換えられました。また、正式な商取引ではインチが商法上認められないということで、「型」が用いられています。

実際にはどこのサイズかというと「画面の端から端までのナナメの長さ」です。左下から右上もしくは左上から右下またはその逆を結んだ直線が大きさの表記つまり対角線で結ばれた線の長さです。

更に「V型」というのにも意味があり、ブラウン管は「型」をフラットな液晶などは「V型」を用います。二つは大きさに違いがあり、VはVisual Size(ビジュアルサイズ)の略で、有効画面の対角寸法基準とした大きさの目安で、ブラウン管の外径対角寸法を基準としたものは枠に隠れ可視領域が少し小さくなります。

横に長いワイドタイプ

画面は横の長さと縦の長さが違います。テレビは4:3のスクエアタイプと、16:9のワイドタイプ(ビスタサイズ)縦横比が一般的ですが、パソコン用のモニターはワイドタイプに16:10と少し縦に長い仕様になっています。しかしゲーム機などに対応するため16:9の縦横比も増えてきました。

縦横比(じゅうおうひ)と書くので、縦の比から示してありそうなのですが、比率は横:縦で示してあります。また16:10は8:5で表せますが、比べやすいように16を用いています。同じサイズの画面なら16:10のワイドタイプより、4:3のスクエアタイプの方が面積が大きくなります。 詳しくはワイド画面の縦幅は・・・を参照

画面解像度

画面の細かさを表す尺度。液晶ディスプレイではドットの数を表す、標準的なディスプレイはXGAと呼ばれる1024×768の解像度を持っている。本来は一定の大きさ内の画素数のことを指していて、dpi(でぃーぴーあい[dots per inch])=インチあたりのドット(画素)数を単位としている。ピクセルピッチ(点と点の距離)であらわす事もあり、本来の意味ではこちらが正しい。

ピクセルピッチや大きさには関係ありませんが、VGA(640×480)やUXGA(1600×1200)など横と縦のピクセル数によって、呼称があります。それに対応して、画面の大きさとピクセルピッチが決まります。

視野角

画面を上下左右の斜め方向から見た場合でも正面で見たときと変わりない角度。カタログ上ではコントラスト比10:1または5:1の角度を示しているので実際には色の変化や明るさが激しい場合がある。液晶の駆動方式によって大きく変わる。一般的にIPSパネルが最も広く次にVAパネルそしてTNパネルの順である。

構造的な特徴による輝度やコントラスト比の変化が、パネルを正面から見る場合と角度をつけた側面では違いが出てくるという特性のことで、製品によってもかなり差がある。とりあえず斜めや真横に近いくらいの角度で覗いてみるとわかるかもしれない。

画像の変化としては、明るさがなくなり見えにくくなったり、色そのものが変化して正常な画像を認識できなくなったりする。左右だけでなく上下にも表れるので、机上の角度や設置の高さによっても影響を受けることになる。

カタログ値は角度で上下・左右「○○○°(度)」で示す。上下と左右が異なる数字や160度以下などは「TN方式」とパネルの違いもわかってしまいます。数字は片面最大90度、両面で最大180度の数字で示してあります。

正常な角度とされるのは、コントラスト比の測定によって行われ、10:1や5:1が使われているらしいが、カタログにここまでの掲載はされないことが多く、あまり当てにならないと言われている数字だ。実際に実機を見ることができるのならチェックしておきたいのが、横からの見え方だろう。

いくらパーソナルな用途といっても画面が大きくなれば正面でも上下や左右で色の変化が起こるなど、パネルの特性によって影響が出てくる。できるだけ色や輝度の変化が少ないものを選びたい。

輝度

画面の明るさ。cd/m2(カンデラ)で示します。最大輝度を上げていくと明るい部屋ではきれいに見えるようになり、逆に暗い部屋だと暗い色が明るくなる「黒浮き」してくる。周りの明るさに対してどれだけ明るくすることができるかも重要だが、暗いときに細かく調整できるかも重要である。

画面は明るすぎると目が疲れる要因にもなってしまう。液晶ディスプレイは目に優しいといわれます。もともとの輝度が低いこともあるでしょう。調整して200カンデラくらいあれば十分です。プラズマやブラウン管などに比べて輝度を高くするのが難しくコントラストも低い。

光源であるバックライトは時間にすると2万時間くらいで輝度が低下し交換が必要になる。室内の蛍光灯の寿命は6000時間くらい。液晶ディスプレイに使われているバックライトはCCFL(冷陰極管)は室内の照明と同じ蛍光灯ですが電極に違いがあります。フィラメントがないため一般的に長寿命であるといいます。

明るさをコントロールすることで、コントラスト比を高める技術があります。通常はコントラスト比が、画面のもっとも明るい部分と暗い部分の対比を示したものに対して、バックライトの明るさを調整して増幅させたものをダイナミックコントラスト比といいます。

1000:1程度から100万:1にあげるといったことができる。更にLEDバックライト搭載の場合は、点光源のため画面の一部分で輝度を調整できるため高いコントラストを実現できる。

応答速度

画面の反応速度を時間の単位で表す。液晶分子が切り替わる速さの値。電圧のかかっていない状態とかかっている状態で変化する、黒から白へとかわり元の黒へと戻るまでの時間をms(ミリセコンド)で表す。黒と白の間の中間調から中間調の速さの時間を表していることもある。

発光体を直接制御しているわけではなく、光源を液晶分子で制御しているために、反応する速度は非常に遅い。新しい技術によって速くなってはいるが、他の映像機器と比べてとても遅いので、カタログで重要な値の一つになっている。

切り替わりが遅いということは、残像が見えてしまったり、ぼんやりしてしまう。スペック表記される「黒→白→黒」は最も高めやすい色の変化であり、実用される中間階調の色は遅くなる。グレーtoグレー(GTG)と載っているものがその速度である。

速度が遅い場合は残像感がありぼんやりするが、速い場合はシャープにくっきりと感じられる。動きの激しい動画やゲームなどでは差を体感できるだろう。中間階調の反応速度を高めるためにオーバードライブ回路という高速化技術が搭載されるようになってきた。

液晶ディスプレイの駆動方式によって違いがあるのも特徴である。安価なTN系では黒→白→黒は最も高めやすいのに、中間階調では急激に遅くなる。TN系では全階調の応答速度を均一に高めるのが難しいが、IPS系は全域で応答性が安定しており、オーバードライブ回路との相性がいい。

オーバードライブを強くかけすぎると、副作用で画質が低下してしまう。しかしIPS系なら制御しやすいため全域で高速応答を実現できる。もともとはそれほど反応がよくなく動画向きでないとされてきたが、画質のよさに高速応答が実現できれば、高いパフォーマンスを発揮する。

フルHD対応液晶ディスプレイ

デル デジタルハイエンドシリーズ

3008WFP

2007/12/20発売 30インチワイド液晶モニタ。2560×1600(WQXGA)の高解像度に3000:1の高コントラスト、高い拡張性を備えたフラッグシップモデルです。

EIZO ワイドハイグレード

FlexScan SX2462W ブラック

Adobe RGBカバー率98%、低色度変位のIPSパネル搭載。色ムラ補正など独自の高画質化技術を搭載したFlexScanハイエンドモニター。